2009年4月25日土曜日

《裁判》被告準備書面(1)

初公判から一月過ぎ、やっと被告の「準備書面(1)」が来た。
答弁書で、「追って主張する」としていた部分だ。

--------------------------------------------------


被告の主張


1、錯誤無効の主張について

本件売買契約が締結されるに至る経緯において、販売業者従業員が原告から、本件駐車機の機械音に関して質問を受け、確認を求められた事実は存在しない。
原告からは、本件駐車機の機械音についての質問をなし、あるいは確認を求めた事実は一切存在しないものである。
本件駐車機の機械音は、音量にしても決して大きいものではなく、そもそも利用する居住者が自動車を出入庫させるときしか生じず、時間にして1台の出入庫につきせいぜい数十秒程度、回数ににしても駐車機に駐車しうる台数に応じた極く限られた回数しか生じないものである。
仮に毎日のように、本件駐車機に自動車を出入庫させる居住者がおり、その機械音が物理的に本件居室へ伝搬したとしても、それは、一般通常人の感覚からすれば、睡眠を妨げるようなものでは決してない。
原告が、本件売買契約を締結した際に、本件駐車機の機械音が本件居室に伝搬しないことが動機として表示された事実はなく、また、原告に動機の錯誤があるとしても要素の錯誤にあたらず、原告の主張は失当である。
なお、類似ケースとして主張する判決で問題とされているポンプは常時稼動するものであり、自動車の出入りの時に限って稼動する本件駐車機とは同一視できるものではない。
被告はもとより、本件マンションの設計会社(立体駐車機を屋内に設置する設計を多数手がけてきた実績を有している)、本件駐車機のメーカー(マンション屋内に設置する立体駐車機を幾多も製造し、納品してきた実績を有している)のいずれにおいても、マンション屋内に設置した立体駐車機による騒音・振動により、これまでクレームを受けた例はない。

2、瑕疵担保責任について

本件居室には、物理的に本件駐車機の機械音が伝搬したとしても、一般通常人の感覚からすれば、睡眠を妨げられるなど日常生活上支障を来すような音はなんら生じていないのであり、住居としての一般的性質を欠いていないことは明らかである。
原告が呆れた施工と主張する、駐車機の消火配管の設置方法、GL工法については、屋内に立体駐車機を設置するマンションの設計・施工として通常のものである。
本件居室に瑕疵はない。

3、詐欺取消及び不法行為について

原告は、被告が、①機械音は居室に聞こえないと回答したこと ②機械音につき質問を受けた被告には、機械音が発生する可能性について、これを「原告に告知する義務が存し、それを告知しないまま、原告に本件売買契約を締結させた」こと、をもって不法行為と主張するが、①については質問を受けた事実はなく、また、その機械音が居室で聞こえない旨述べた事実はない。
②については、現に、一般通常人にとって通常気になるような音は生じていないし、本件売買契約締結時、被告(および販売従業員)は、そのような音は生じないと認識していた。
被告はもとより、設計会社、駐車機メーカーにおいてすら騒音・振動により、睡眠が妨げられる等のクレームをこれまで受けた例はなかったのである。
かかる状況において、被告には、原告から本件駐車機の機械音について特別の懸念が表明されることがない限り、音が伝案する可能性がある旨説明すべき義務はない。
従って、なんらの義務違反も存しない。

4、消費者契約法違反について

本件機械音は、一般通常人の感覚からすれば、日常生活上、なんら支障を来すことはなく、なんら気にならない程度のものであり、 本件居室の売買契約を締結するか否かについての判断に影響を与えるものではない。
さらに、被告には何らの虚偽説明も、説明義務の懈怠も存在しない。

--------------------------------------------------



要は、

騒音について原告から質問された事も無いし、
騒音は一般常識人において気にならない程度のものであり、
被告も設計会社もこれまでクレームを受けた事は無い。

という主張である。

素人の私が、赤本(建築物の遮音性能基準と設計指針)等の専門書、また専門家や騒音被害経験者からも情報を得て、訴えているのに、あいかわらず、一般常識という主張に終始しているのには驚いた。


0 件のコメント: