2009年5月17日日曜日

《裁判》被告準備書面(2)

公判の一日前、被告の「準備書面(2)」が来た。

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第1、問題の所在

本件においては、まずもって本件居室内における対象騒音のレベルが客観的に確定されなければならない。
そのうえで、地域の環境、当該騒音の頻度・性質、発生原因等を客観的に明らかにし、その防止措置の有無・内容・効果・費用等をも検討し、平均人の通常の感覚ないし感受性を基準として、本件居室が通常有すべき性能を有しているか否か、が判断されなければならない。

第2、本件マンションの環境・行政上の規制等及び本件マンションにおける対処

1 (1)幹線道路から東に約275メートルのところの所在している
(2)所在地域は、都市計画法上は商業地域、特別業務地区、高度利用地区に指定されている。建築基準法上は建ぺい率80%~本件マンションは建ぺい率56.61%、容積率493.30%である
また、本件マンションは、市特別業務地区建築条例により、特別業務地区内の共同住宅として、住戸または住室部分のすべてを3階以上の階にしか配置できず、他方、市まちづくり推進条例により、住戸1戸につき1台以上の駐車設備を確保することが求められている。
(3)本件マンションにおいては、このような制約の下、1階部分に店舗、2階部分に集会室・電気室をそれぞれ配置したほか、住戸1戸につき1台の駐車機を配置したものである
2 (1)本件マンションにおいても、音環境については評価・表示項目からは除外されているが、被告の内部的な設計指針としては居室内における騒音レベルは40dBA(但し、間欠音を除く)を目標としている。
その内部的な目標を達成するべくスラブ厚、ガラスサッシュ等の性能を上げて、上下階あるいは外部音の室内への透過を遮断するべく配慮している。
また、設備機器のうち、電気室・ポンプ室については、設備騒音の発生が予想されたため、電気室については電気室の床を防振床とし、トランスの下に防振ゴムを敷設している。また、吊りボルトについても防振金具を採用している。ポンプ室については、住戸から離れた地下に配置し、ポンプの下に防振ゴムを敷設している。
被告がこれら対策を講じたのは、これらについては苦情が寄せられているという現状に配慮したものである。また、エントランスの玄関扉(自動扉)についても防振対策を講じている。
(3)これに対し、駐車設備については、駐車機メーカーの中では多段式の駐車場について実績が豊富なメーカーのシステムを採用している。
そして、同社の指導を得ながら、同社の仕様どおりに施行したものである。
モーターについても最も騒音の小さいタイプであるインバーター制御のモーターを採用し、また、多段式の駐車場であることに鑑み、駐車機の支柱を受ける部分の基礎を大きくし、ピットスラブの厚を厚くし、大きな地中梁に緊結することにより駐車機から生じる振動を押さえるべく配慮している。
(4)メーカーによれば、同社の施行例(全国で約8,000箇所)の中で、多段式の駐車設備を含め、本件のように騒音が問題とされた事例はない、とのことである。

第3、本件騒音問題についての経緯

省略(経緯を淡々と述べ、かつ、原告の言う通りの対策を行ってきたと主張)

第4、まとめ

1、もともと瑕疵となるべき騒音はないものと考えているが、誠意を持ってできる限りの対処をしてきた。専門家である調停委員の意見も承けて、消火配管等につき、防振対策を講じてきた。
それら、対策によって効果も生じているはずであるが、原告はそれらについてまったく触れるところがない。
2、現状では、本件居室における騒音レベルはまったく明らかにされておらず、まずもって原告はその点を明らかにすべきである。

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いつもながら、長文だけど、中身の薄い書面だった。
(実際このブログに詳細は載せていないが、パンフレットや所在市の条例文等、とにかく添付の証拠資料は山ほど付いている)

今までのこちらの数値的な主張や専門家の意見に特に返答はない。
(専門家が加わっているとは到底思えない、弁護士の作文のみという様に感じる)

駐車機の騒音苦情は聞いたこともなく、騒音が予想される個所(電気室等)はしっかり対策しているし、原告の言うことも聞いてきたと、アピール。
(これも、すべて読み飛ばしてもよい様な内容ばかりだが、裁判官に向けて、また裁判の記録上は誠意を見せてきたとの主張が必要なのだろう)

原告には、現状での騒音レベルを明らかにせよ。と、要求。
(調停後の防振工事後に音の測定をせずに、以前の結果で原告が主張している点を突いている)


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